いちじくは実だけの香りじゃない -- 地中海の木がまるごと香る、夏のグリーンノートの物語
— フィグの香水を嗅ぐと夏の木陰が立ち上がる。でも天然の「いちじくの香り」は存在しない。葉のグリーン、実のミルキー、木のウッディを一本に再構成した、地中海の夏のノートの物語。
オリス、サンダルウッド、ベチバー、ラベンダー、香道など、香り素材の文化と歴史を辿るストーリー。
— フィグの香水を嗅ぐと夏の木陰が立ち上がる。でも天然の「いちじくの香り」は存在しない。葉のグリーン、実のミルキー、木のウッディを一本に再構成した、地中海の夏のノートの物語。
— 正倉院の名香「蘭奢待」に残る権力者たちの切り取り痕から、健康な樹ではなく傷ついた樹だけが香木になる不思議、最高峰「伽羅」の理不尽な希少性、そして同じ木が中東で「ウード」として香水の王になった物語まで。世界一高価な木の正体が「病気の木」だった話。
— 明治の開拓地・北見が、世界の薄荷市場の約7割を握った時代があった。ハッカ成金とハッカ御殿、そして合成メントールに敗れて消えた畑。日本の夏の清涼感の正体を、和ハッカ独特のキレとともに辿る物語。
— 「ヒッピーのあの匂い」と敬遠されがちなパチュリ。けれど18世紀のカシミアショールでは『本物の証』であり、今は高級香水の土台を静かに支える定着剤です。土とダークチョコの香りをめぐる、文化的評価の振り子の物語。
— ブルガリの緑茶香水『Eau Parfumée au Thé Vert』(1992年) はなぜ世界中で愛され続けるのか。調香師ジャン=クロード・エレナが茶葉を使わず合成分子2つで『お茶』を表現した革新と、現代まで続く緑茶系フレグランスの源流を解説。
— 古代エジプトで『太陽神ラーの汗』と呼ばれ、聖書では金と等価の贈り物だった乳香(フランキンセンス)。オマーン・ドファール地方の砂漠で5000年続く樹脂の正体と、現代の空間用フレグランス・お香での楽しみ方を解説。
— 日本人なら一度は嗅いだことがあるヒノキの香り。法隆寺を1300年支え、伊勢神宮で20年ごとに切り出され、輸入フレグランスには出てこない『ヒノキ』の正体を、千年の歴史とルームフレグランス選びの両面で解説。
— 5月のブルガリア、午前4時に始まるバラの収穫。1グラムの精油に5000輪のバラ。世界最高級ローズオイルが太陽との競争で生まれる仕組みと、家庭での楽しみ方。
— シャネル No.19、ディオール オム、プラダ・インフュージョン・ディリスのハートには、フィレンツェの暗い倉庫で3年眠った根っこがいる。世界一高価な香料オリス(アイリス・ルート)の正体と、なぜ花ではなく球根が世界の名香を作っているのかを解説。
— 30年以上かけて心材を作る半寄生の樹、世界最高品質と呼ばれたマイソールの森、そして1996年に生まれた合成分子。仏壇のお線香から私のリビングまで、5000年の旅路の終着点で、私たちが嗅いでいる「白檀」の正体を辿る物語。
— ゲラン、シャネル、トム フォードの名香の足元に必ずいるベチバー。タミル語で『掘られた根』と呼ばれた一本の草が、カリブ海の山を救い、インドの夏を冷やしてきた歴史と、現代のルームフレグランスでの楽しみ方を解説。
— ラベンダーはなぜ世界一身近なフレグランス素材になったのか。古代ローマの公衆浴場からプロヴァンスの丘、北海道の富良野まで2000年の歴史と、現代の睡眠導入・リラックス効果を、ルームフレグランスとアロマ両面で解説。